メイクアップラボ・きもの#02
現代の着付けと時代着付け
結論から言えば、着付に現代も時代もありません。
実際は、洋服のように常に変わっていく方が自然かもしれません。時代と共に、体型も変わってきている訳で当たり前の事とも思います。
「時代衣裳」という言葉を聞いたことのない方に私達なりの解釈で説明してみました。

現代の着付け
いわゆる一般に着付教室とかで教えている着付です。教室によって教材も教え方もそれぞれ違いますね。
道具を使う方法やヒモのみを使う様な手結びもあります。どちらが良いと比べられませんが、道具を使う方が綺麗に着せられるのであればまた、着れるのであれば使うべきだと思います。
ただ、着付に行くと時に道具もなければ紐もないということがあったりします。そんな時、サラシなり荷物紐1本でも着せられるという点では手結びが勝るでしょうか。
モデル:Yumi Asaka
時代(時代衣装)着付け
時代着付けのはっきりとした定義はありません。よく時代劇で見る町娘や芸者などが最も思い描き易いと思います。
裃、十二単、明治や大正、昭和始めの着付なども含まれます。要するに、大雑把に言ってみると現代以外と言うことでしょうか。
場合にも寄りますが、着せ方もずいぶんと違います。歌舞伎や日本舞踊などではざっくりと着ます。そして、TVや映画の時代劇では、襟などもきっちりと着せています。
ちょっと特異な例となりますが、NHKで放映されていた『お江戸でござる』などは舞台でありそして、歌のシーンもあったりします。舞台の感覚だけで着せてしまうと帯幅が広く映ったり、襟の空き方も微妙です。
いくら設定が長家住まいだったとしても娯楽番組であまりにも忠実にそして、地味に着せることはできません。現代と時代のバランスを保ち程よくミックスした着付の一例と言えるとでしょう。
結婚式などで着付けをすると「着た感じが今までと違う」とよく言って頂けます。こちらとしてはとても嬉しい言葉の反面とても微妙な感覚でもありそして、正直複雑で残念な気持ちになります。「今まではどうだったの?」と...
形の違いがどうのよりもとにかく、紐の位置や着る人の負担のかからない着付けを心掛けることで、着ている際の違いが出てくるように思われます。そして、いろいろな形も知っていれば幅広く応用もできる訳です。
『きれいに着る』ことに拘り過ぎ『苦しくて二度と着たくない』と閾が高いという印象を持ってしまっては、思われてしまっては寂しいものです。
当然きれいに着たいのですが『楽に』尚且つ『きれいになれる着方』を目指していきたいところです。
メイクアップラボラトリにも、ラボ8.和装メイクや、ラボ15.浴衣についてのトピックがあります。興味のある方は、ご参考までにご覧頂ければと思います。