メイクアップラボ#08

和装メイク【 きものメイク 】

「きもの離れ」といわれる昨今、あえて伝統的な「きものメイク」に拘る必要はないのではと思われます。普段のメイク同様最終的にバランスが取れていれば良いのではないでしょうか。

「きものを着る時はやっぱり雰囲気も変えてみたい」という思いの他、そもそも「和装メイクって何?」と言う疑問までいろいろあると思いますが、『きもの』を着てみようか思った時に「そう言えば」と思い出していただければ幸いに思います。

和装メイクと洋装メイクの違い

端的にいうと、洋装メイクの「立体の美」に対して、和装メイクは「平面の美」でしょうか。

着物は畳むと平らになりまた、横から見ると袂(たもと)が割れていて奇麗とはいえない部分もありますが、特に正面と後ろ姿が美しく見えるようにと考えられています。

和装の顔の理想は、色白でフワッとした優しい感じ。小さい口で、品のいい顔とされていますが、一昔前に比べ特に若い世代では骨格も変わってきています。同時に、着物に対する考え方も変わってきています。これは、ごくごく自然なことだと思われます。

実際に、結婚式の白無垢メイクで 「あまりにも自分の顔と違ってしまうのがイヤだ」とか、成人式でも「いつもと同じ顔でいたいので、口紅もブラウン系がイイ」などの要望が多くなっています。しかし、写真は残るもので後になって誰もから「奇麗だね」と言われるとやはり嬉しくない訳はありません。

そこで、和装メイクの基本さえちゃんと押さえていれば自分でメイクする時やまた、誰かをメイクしてあげる時にもその希望を検討し色などを変えてみたり試してその人なりに似合った奇麗さでそして、近代的な着物にも合うメイクが誰にでも装える可能性があるのではないでしょうか。きっと、見つかると思います。

ファンデーション

白無垢は例外ですが、特にピンク系や白めにと意識する必要はありません。自分の肌より少し明るめの(彩度の高い)色を選ぶ方法が色浮きせずに自然でそして、奇麗に仕上がるポイントです。

また、洋装で使っているファンデーションをそのまま使いたい場合などにはハイライトを使い明るさを出すように、頬や顎、額の部分に幾分強めに入れてあげると良いでしょう。

鼻先までハイライトをいれることにより、鼻筋が通ってきます。ちょっと極端な例ですが、お祭りや七五三の顔を思い出してみるとイメージし易いと思います。

チーク

目の上(眉弓骨)から頬骨にかけて通して入れることにより立体感がなくなりそして、フワッとした柔らかさが醸し出されます。色は淡いピンクがお勧めになると思われます。

アーチを描くようにそして、少し丸みのある眉の方が優しい感じに見えます。眉の上のラインを濃いめに描き下側はぼかす感じで、幾分まっすぐになるように描きます。髪の色にも寄りますが、グレーや茶などで下書きしておき黒の水溶きなどで描くととても奇麗に仕上がります。

口紅

下唇をたっぷり描き、口角の部分はカーブが内側にくるように描きます。上唇は丸みを出すように色は赤系またはピンク系色が奇麗でしょう。オレンジ系色は難しく上手く使わないと老けて見えてしまうので注意が必要です。

少し小さめに描くのが基本ですが、あまり拘らす輪郭をハッキリと取ってそれぞれの口に合わせて描いた方が良いと思います。

年末から春先にかけ正月や成人式、お茶会などきものを着れる、着せたりする機会が増えてきます。そんな時、この中からどれか一つ取り入れてみたりのメイクをしてみてはいかがでしょうか? また普段と少し違った輝きが出るかもしれませんね。

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