メイクアップラボ#27

タトゥーシールで肌トラブル

先日新聞で気になる記事を見つけました。「タトゥーシールで肌トラブル消費者庁など注意を呼びかけ」というものです。

『顔や身体に絵や文字を転写するタトゥーシールやフェイスペイント。 ハロウィーンをはじめとするイベントや、スポーツ観戦時に手軽に楽しめるシールですが、テンションがやはり上がりますよね。

その反面、肌が痒くなったり傷ができてシミが残ったりするなど「子供や若者を中心に肌トラブルが起きている」という内容の記事もあり、痒みが出たりその部位が赤くなったりする皮膚障害の後遺症的なものも認められています。今までのところ最も重大な2件は治療に1カ月以上も費やしたのだそうです。

頰に100均で入手したハロウィーン向けの絵柄シールを貼った幼稚園児が約3時間後にシールを剥がそうしましたが、ベビーローションや化粧落とし用のクレンジングローションなどを使っても剥がす事が出来なかった。その翌日、綿棒で擦り取るようにして剥がしたとのことですが瘡蓋になりシミのような痕が残ったと言うのもあります。

近年日本でのハロウィン等イベントの過熱ぶりは驚くものがありますが、格安でまたどこでも簡単に関連グッズやメイク用品の入手が容易となり誰でも手軽に使用できるようになっています。

メイクアップをする立場で被メイク者への説明として、シールや傷などの皮膚を覆うものは『皮膚呼吸ができない状態になる可能性があるので、剥がした後一気に空気に触れ赤く痒みが出る事があります。その場合その部分を掻かないで冷やして下さい。』とまず最初にお伝えします。

そしてもう一つ、「一気に剥がそうとしないで端から徐々にリムーバーを染み込ませて優しく剥がして下さい。」と付け加えます。それでも、リムーバーも使わず一気に剥がして「肌が荒れた」とか嘆き掻きむしる人もいるようです。ある意味自業自得になるのではないでしょうか。

また、ペイントを施す際にも肌への浸透を抑制する役目のバリアコート剤や、いわゆるベースクリーム等を肌に施す等工夫も必要です。

国産製品であってもまた、クレンジング料を使用しても、赤や青の顔料が肌に残る事も少なくなく無理に擦らずぬるま湯でクレンジングする方法もあります。

来年はオリンピックイヤーとなりフェイスペイントをする機会も多くなりそうです。また、ゴムアレルギーの人も少なからず居いらっしゃいます。シールやペイントにしても使用を焦らず必ずパッチテスト、そして使用方法に注意を払いましょう。正直、面倒には感じますがそのメリットは非常に大きいと思います。

また、ハロウィーンでは血のり等の使用も増える傾向にあります。これもペイント同様に注意が必要です!

服に付いても頑固で落ちない製品もあり、ということは当然他人に着けてしまっては困ることになります。長時間の使用で肌にもうっすらと色が残るような事例も少なくありません。 

建物や道路に付着してペンキ同様なかなか洗い流せない物、ちょっと怖いですがそのような代物も出回っていたりします。使用の際は他人への迷惑も考慮する必要がありますね。イベント時の天候が雨ではせっかくの計画も残念な訳ですが、洗い流せる血のりを使用する方が安全面から考えると良いのは言うまでもありません。

安価な代物はそれなりの効果を得られるのは否めない事実です。それを全否定する訳ではありませんが揃える前に一旦考える時間も設ける必要があるのではないかと感じる訳です。

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