メイクアップラボ#25

2010 IMATS, Los Angels レポート前編

今回は、数年ぶりに訪れたIMATS(International Makeup Trade Show)6/26-27、ロスアンジェルス・パサデナで行われたの模様の中で目を引いたものをお伝へします。

LA.Show

近年トレードショウ自体の知名度も上がりアメリカ、カナダ、イギリス、オランダそして、オーストラリアと各国各地で開催される大きなイベントへと変貌を告げました。ロスアンジェルスだけでも昨年に比べ6,000人も多い来場者だったとのことで、会場内も人でごった返している印象でした。

以前は、特殊メイクやステージメイクがその主流で、より専門的な内容が多く各社のデモも全般的にSFXでしたが。近年ではビューティー、美容関連の出店やセミナーが多くなり、それを専攻している学生さんやサロンからの来場者が増加したことも要因で各地で入場者数の記録もその都度塗り替えられているようです。

雰囲気としては、日本でも東京ビックサイトで行なわれている催しビューティーワールドというと分かり易いでしょうか。その形態で特殊メイクやステージメイクと言ったメイク全般の専門的な情報がプラスされたという感じです。

セミナー会場と商材出店会場とに分かれて話題の映画や雑誌等で取り上げられているメイクアップアーティストの様々な講義を受けることができます。

今年ロスアンジェルスでは、3D作品としても話題を呼んだ「Alice in Wonderland」のメイク担当部署のパネルディスカッションも企画されていました。しかし、最近の傾向として特殊メイクのクラスよりもビューティークラスの方が圧倒的な人気のようで受講希望者が会場から溢れる程です。

出店会場はと言うと、一般向け化粧品として展開しているM.A.CやBobbi Brown等を始めとしてプロ用化粧品の老舗メーカー、特殊メイク材料やツール類を並べるブースが数多くあり、観ているだけでも結構楽しかったりします。殆どのメーカーが目玉商品を用意しているようで人気の高いブースでは長蛇の列。1日中並ぶだけで終わってしまうのではないかと思う程です。出店会場は、入場者数の割に狭く感じ特に初日の混雑ぶりは相当なものでした。

そんな中、会場で目を引くのは、やはり何と言っても各社のデモです。特殊メイクアップやボディーペイントといったアーティスティックなスキルの高い作品、その作成手順を手が届くような距離でそれもあちらこちらで観ることができます。

今回特殊メイク関連では材料自体にはさほど目新しい変化がないようで、デモを観てもボールドキャップやプロスエイド、シリコンコンパウンド等の従来の代表的な製品が多く使われていたようですが、ペイントとなるとエアブラシがその主流になっていました。

エアブラシは、頭部や身体全体という特に広範囲のペイント、大きな作品で着色の均一感やグラデーションの仕上がりをとてもきれい出すことができ、非常に目を魅かれます。

また、特殊メイクに用いる場合でも造形との境、エッジ部分等筆でのペイントに比べ比較的楽に馴染ませることができるので、注目されるのも分かるような気がします。勿論、各メーカーとも技術者のスキルはとても高い訳でエアブラシだけでなく筆の使い方、ぼかしやそのデザインにも感心させられます。

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