メイクアップラボ#16

選挙のポスター

選挙が近くなると、街中ではいつも各政党の新しいポスターや候補者の写真が目に付き始めます。プロのモデルとは違い普段あまり写真に慣れていないであろう人達がにこやかに写り、どことなくぎこちなささえ感じます。有権者は、投票する際にもちろん実績やマニフェストも考慮に入れると思いますが、特に素顔を知らないような場合にはポスターによって一票の行き先が左右されるのは否めません。

ポスターを見て、「この人、悪そう!」「この人、偉そう!」「決断力、バイタリティに富そう」「人の良さそうな顔しているわ」などと写真の印象が投票の大きなファクターになり得ます。最近では、ちゃんと撮影の専門スタッフがついて作成されたような商業的ポスター風のものもあるように見受けられます。

それにしても、日本ではテレビで疲れた顔をした政治家さんが多いと思いませんか?アメリカの大統領には、当然専属メイクさんがついており疲れた顔を国民に見せたりすれば即刻支持率が下がります。いつも健康的で自信に満ちたパワフルな代表が望まれているからでしょう。

さて、少々脱線ぎみですがポスターに話しを戻して、選挙を考えると票を集めるためには好感の持てる写真に仕上げなくてはなりません。清潔感や活力も出してそれでいてナチュラルな表情に。

男性のメイクのポイント

男性の(男性だけでなく)ナチュラルなメイクは、化粧を感じさせない自然で健康的な仕上がりにすることが最大のポイントとなります。

まず、ファンデーションは数色使用してみます。一色だとどうしても化粧感が出てしまうためです。均一にではなく、部分的に色味を調節することで立体感だけでなく自然な感じも出てきます。

パウダーは、白味やパールがかかるものはできるだけ避けてノーカラーのタイプや黄色味のあるタイプのパウダーを用い、光りの反射を均等に調整してあげます。

そして、一番難しいのはトラブルの処理です。ひげそり跡やシミ、眉間のシワやクマなどは一般的にマイナスのイメージとなので、女性の場合よりも少量での修正が必須となります。ここでも肌の色をよく観察しながらコンシーラーの色味で修正していきます。また、顔色が悪い場合にはオレンジ系色のチークやカラーパウダーで血行の良さを補正してあげます。

候補者の写真(ポスター)は、メイクを施して撮影されている場合が殆どであるだけでなく近年ではCG処理も加わりシミなどはしっかりと消されていたり、多々なりとも修正が入っている筈です。

選挙ポスターを見て「このシワは無い方が良い人に見えるのに」「よく日に焼けてゴルフばっかりしているのかしら」「活気のない顔でクマもあって任期中の健康は大丈夫?」などの見方をすると候補者の違った面も見えてくるかもしれません。メイクに携わる者にとっては 「誠実そうな顔・活気のある顔・悪人顔」など観察するのにとても良い素材となります。

『顔は内面を表現する』『見たまま』とつくずく実感するのもこの時期ですね。そして、当選した政治家の顔が変わってゆくのを眺めるのも、また興味深い観察でしょうか。今回は、近々予定されている衆議院選を前に街のポスターを観て感じたことを書いてみました。失礼に思われる候補者の方がいらっしゃったとすれば、深くお詫びいたします。

『顔は内面を表現する』『見たまま』とつくずく実感するのもこの時期ですね。 そして、当選した政治家の顔が変わってゆくのを眺めるのも、また興味深い観察でしょうか。  今回は、近々予定されている衆議院選を前に街のポスターを観て感じたことを書いてみました。 失礼に思われる候補者の方がいらっしゃったとすれば、深くお詫びいたします。

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