男優の着物姿と補正

先日、ある映画の製作発表で今旬の、売り出し中の男優さんの羽織、袴を着せる機会がありました。 他にも、誰もが知っている名の有る若手男優さんも同じように羽織、袴姿です。

しかし、その旬の俳優さんは専属スタッフのスタイリストさんによる着付けということです。 袴の丈は合っているのですが、上がってしまって短くなりそして、後ろは下がった状態。  直ぐにでも直してあげたいという衝動をぐっと抑えながら、見守っていました。

「せっかく容姿が良いのに、もったいない!」と強く思うのですが、旬だから何でもアリ? だから別に気にもならない?というのが一般的な見方でしょうか。 周りのスタッフも皆さん誰も気に留めていないようですが...

当日、彼らの入り時間も遅くなり、スケジュール的に押してしまい着付けに取れる時間に問題があったのかもしれませんが、着付けを心得ている人であれば、そのポイントを抑えつつ出番までには直す事が出来る筈です。

最近は、スタイリストさんが着付けもまかされる場合が多くなったようで勿論、きちっと着付けができるスタイリストさんも多いとは思われますが、「できます!」と安請け合いをしてしまう場合も少なくないようです。

また、着付けに不安を持つスタイリストさんの中には「後で見て頂けますか?」と、素直に現場でお願いされる場合もあります。 そんな場合、大体は役者さんが着物に慣れていらっしゃったりして、前は役者さんご自身そして、スタイリストさんは帯等を手伝う程度で、既に整っていて手直しも殆ど必要無かったりします。

着せる方にも問題がおお有りですが、役者さんにも問題が有る訳で、TVや映画は多くの人が目にする訳ですから、人気の役者だからどんな着方をしていても顔が良ければOKと思われては、本来の日本文化は廃れてしまいます。

時代が変れば流行も変わり、最近の浴衣や成人式のスタイルもそういった流れの一つかもしれません。 あまりに決まり事にうるさいと廃れてしまう文化もあります。  しかし、日本(着もの)の品格が無くなって来ているのは、本当に寂しい事です。

確かにお手本となる時代劇も少なくなり「きちんと着物を着こなしているなぁ」と思える役者さんも少なくなって来ています。 基本をうるさく言うベテラン俳優さんや、着付け師も少なくなりました。

でも、きちんとした姿を見るとやはり格好が良い訳で、良い(高価な)着物を着ていなくても、ビシッと決まっていると自然と芝居もその映像も引き締まって来るのも周知の事実です。

日本の役者なのですから、着物はきちんと着て欲しいのものです。 西洋の男優が、アルマーニのスーツをビシッと着こなすように。

男性の着付けのポイント

男性に着せる場合は、帯が上がらないようにお腹廻りに補正を入れます。

が、細身の人には、胸部分からしっかり補正をする事が重要です。 また、顔が小さい人は、横に広げすぎない補正をするよう気をつける必要があります。

時に、ガッシリ見せたいのか肩からタオルをかけて補正する人も居るようですが、首が短く、顔が埋まって見えてしまう場合もあります。

必ず、全体のバランスをしっかりと見た上で、補正を行う事が大切です。 実は、女性よりも男性の補正の方が難しいのです。