メイクアップラボ#23
肌との会話その1
『冬期や空気の乾燥が気になる時期の肌に化粧水はタップリと』は、まるでお題目のように使われ誰もが毎年一度は目や耳にしたことがあるのではないでしょうか。そして、夏の冷房下でも冬の乾燥期同様に化粧水のその役割に頼らざるを得ません。
化粧水を使う主な目的は保湿ですが、化粧水の種類によって様々な効果があります。
マッサージ
そういえば、昭和の高度成長期の頃私の母が毎晩のように高価なマッサージクリームを使いマッサージをしていたのを今でも思い出します。
その後、肌が薄く敏感肌のようになってしまい「恐らく、あの頃のマッサージのし過ぎが原因ではないか」と本人も嘆いていた記憶があります。
しかし、マッサージ自体や技術的なことも日進月歩、大きく変わってきて科学的な裏付けによって検証されている場合が少なくありません。精神面からもリラックスできそのこと自体肌にとても良いことだと思います。鏡を見てキレイになろうと思う気持ちと、肌に触れることによる肌の緊張感が効果を高めているようです。
私自身もマッサージは良くします。現場でもメイクをさせて頂く前に時間の許す限りマッサージを取り入れたスキンケアを行うようにしています。
ですが、今回このようなテーマを取り上げてみたのは時にはちょっと立ち止まり、自分の肌と向き合って欲しかったのです。そう思うことがとても重要に思えます。
先日、一見艶もありキレイな方のメイクをして差し上げる機会がありました。しかし、何だか問題があるような感じがします。
ファンデーションが綺麗にのらない、のってもすぐにテカってくる状態。実は、ファンデーション前のベースクリームものらないのです。つまり、表皮がなく肌のひっかかりがなくなっている状態だったのです。
その時は時間的にも余裕が無かったため、撮影用に使用するベースクリームを使い何とか仕上げました。撮影も無事終了し時間もあったので話を伺ってみると、マッサージや肌のケアは毎日欠かさずにご自分できちんとなさっているとのことでした。つまり、やり過ぎ?やり方が間違っている状態なのでは?
マッサージもやり方がちゃんとしていて肌にも合っていれば当然効果的なんでしょうが、一歩間違うと私の母のようになってしまうのでは?
女性は、ホルモンのバランスや、その周期によっても肌の状態が常に変わっています。当然、生活環境等の外因的な要素によっても大きく左右されます。そして、肌の状態マッサージの肌への効果は、マッサージをする際の気持ちの余裕やその時間によっても影響されるでしょう。
化粧品選び全般的にそうですが、マッサージも自分の肌に「これでいい? 今日は刺激を与えない方がいいかしら? キレイになった? 気持ちいい? 」という問いかけ、会話をしながら行ってあげたいものです。
そして、この先ブームはどの方向へ進むのかは難しいですが、同じ条件で同じ肌の人は決していない訳ですから、女性の数だけ美の追求方法があって良い訳ですね。また、自分の肌に合った化粧品や美容法を時代や肌の変化と共に探し続けていくことになるのでしょう。
ブームや媒体の影響に流されるばかりでなく、肌との会話を大切にし義務にはならずリラックスした状態を楽しむようにすることで、効果も更に一層高まることでしょう。