メイクアップ ラボ #07 後編
舞台メイクのストレートメイクとキャラクターメイク その2
キャラクターメイク
キャラクターメイクのアプローチとしては、まず役柄・性格を熟考します。
ここでは、屈折した性格だと思われるので、顔の左右のバランスが対象というよりは崩してみます。 また、回りの人間からは恐れられているというイメージで、目力で人を威嚇したりもするであろうというイメージから顔の中心、特に目頭にポイントを置いたメイクをしています。
重要となってくるポイントは、役者が表情を作る時の筋肉の流れをよく観察し、その流れを強調してあげるメイクに努めます。 メイクでビジュアル的な効果をアップさせてあげる訳です。
題材にしている舞台作品・サルトル『悪魔と神』ですが、主役の性格の変化、二面性が見どころとなる訳で同様に『ジキルとハイド』でも二面的なメイクを観ることができますね。
さて、写真を見て頂いて分かると思いますがここではハイライトとシャドウしか使用していません。 ハイライト、シャドウのグラデーションで筋肉や骨格を表現して顔を変えてみています。
前頁でのストレートメイクの役者のキャラクターより、悪・怒り・恐さそして、いやらしさも加わってきたと言えないでしょうか。 仕上げにアイライン、目頭や小鼻の部分にハイライトとシャドウのタッチを加え、もう少しアクセントを出してみようと思います。
どうでしょうか、ハイライト・シャドウを駆使することで、顔のイメージがガラリと変わります。 これは舞台メイクの一番の特徴でもありまた、醍醐味の一つと言えるでしょう。 そして、これはクリームタイプだからこそできるテクニックです。
分り易い例として『悪魔と神』を上げましたが、ポイントは掴んで頂けたのではないかと思います。 キャラクターの特徴をよく考えメイクを組み立ててゆくのが第一歩、大きなポイントです。
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