メイクアップ ラボ #07 前編

舞台メイクのストレートメイクとキャラクターメイク その1

メイクアップラボ5では、舞台メイクと普段のメイクということで、舞台メイクとはどのようなメイクなのかを簡単に説明しましたが、このテーマも2回目の登場ということで今回は写真も交え前編・後編に分けさらに踏み込んでみることにします。

舞台メイク

興味深い舞台作品のひとつに、サルトルの『悪魔と神』があります。 第1幕と第2幕での主役の性格の変化、二面性を役者がどう演じるかが見どころの作品です。 ここでは、そのイメージをメイクの題材に取り上げてみようと思います。

このような二面的なメイクの変化は『ジキルとハイド』のような二重人格を扱う芝居でもみられます。 舞台照明の色の変化も捉えさらにメイクの雰囲気を相乗的に変化させたりします。 例えば、化粧品もブラックライト(UVライト)で映えるタイプのものを駆使したりして、表情の変化を強調してみても面白いと思われます。

役者の素顔を生かしたメイクを舞台でもストレートメイク(一般的に言うナチュラルメイク)、それに対し扮装性の強いメイクをキャラクターメイクと区別し呼んでいます。

ストレートメイク

ストレートメイク

役者・モデルの元々持っている特徴・人間味、優しさや誠実さを基本的にそのまま表現するメイクです。

たとえ、役者が外国人で骨格がはっきりしていたとしても、肌の色を整えるためや他の役者との舞台上での顔の色のバランスも考えファンデーションを使いそして、ハイライト・シャドウを多少なりとも入れてやることで個性、表情がより明確に豊かになります。

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